聞き書き七ヶ浜

聞いてけさいん、話してけさいん。七ヶ浜のいまむかし。

石碑修復チームの記録 ~鼻節神社 ②~

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5号目「手と手」では、石碑修復チームのボランティア活動を掲載しています。

今回は、鼻節神社の二回目。参道の幟立ての修復と石灯籠の手直し、危険木の伐採をご紹介します。

一回目の修復については、こちらをご覧ください。

kikigaki7.hatenablog.com

 

 まずは、参道の幟立て2ヶ所の修復から。

 

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【神社にほど近い幟立て】

津波で倒れてしまった参道の幟立て・支柱石の修復。(中略)修復は左側(田んぼ側)のみ。土台の下は生コンを打設して固め完了。 

聞き書き七ヶ浜5号「手と手」より)

 

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【遠藤工務店前の幟立て修復の下準備】

ボラセンの黄色いテントにて作業を行う。

幟立て2基のうち、1基は津波で流されて行方不明。完司さんが鼻節神社の境内から見つけ出した遊休品を代用する。残存する1基の欠けた部分が見つからなかったので、代用品の残りを切断してドッキング。接合にアンカーボルト内に芯が入っており、打ち込むと押されて開くことで外れにくくなり強度が増す。穴を内側から押し付ける。

聞き書き七ヶ浜5号「手と手」より)

 

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【遠藤工務店前の幟立て修復】

場所は、遠藤工務店前の道路脇。

まずは折れた支柱を吊るして仮固定し、固定ボルト用の穴の位置をマーキング。

直径12ミリの金属ボルト4本で、基礎コンクリートの中はケミカルアンカーを使用。引き抜き強度はボルト1本4トン。ホールアンカーの経験は初めてだ。(坂下さんブログ)

聞き書き七ヶ浜5号「手と手」より)

 

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道路両側の2基が完成。道路ギリギリの場所なので、車止めに別の石塔を立て、赤色灯も追加。

自分は全く初めての経験だが、完司さんにとっても初めての工法とのこと。ホームセンターに行って商品棚の部品を見ながら、どれが使えるか考えた結果出てきた工法だそうだ。

七十近くの人が考え出すアイディアに全面的に脱帽。これがあるから毎日が充実している。四十ならぬ『六十の手習い』の日々が続いている。(坂下さんブログ)

聞き書き七ヶ浜5号「手と手」より)

 

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【石灯籠や狛犬、手水鉢の手直し】

冬の間は乾燥しにくく出来なかった充填作業を行う。

境内の手水鉢後ろのコンクリートを流したり、石灯籠や狛犬の台座など表面の化粧を施した。修復作業から何ヶ月も経っているのに、ちゃんと最後まで・・・。(松浦さん談)

聞き書き七ヶ浜5号「手と手」より)

 

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【危険木伐採】

鳥居の上に横たわった松の伐採。震災の余震で寄りかかってきて危ないので、地元から声が掛かる。完司さんたちも作業中に気に掛けていた。切断すると中は空洞、腐っていた。足場は遠藤工務店さん。(松浦さん談)

聞き書き七ヶ浜5号「手と手」より)

※鼻節神社の幟立ての修復は、2012年2月5日~3月9日(手直しは5月2日)で完了。

※危険木伐採は、2013年9月19日に実施。

 

 

次回は、東宮浜の馬頭観音石碑群の修復をご紹介いたします。