聞き書き七ヶ浜

聞いてけさいん、話してけさいん。七ヶ浜のいまむかし。

忘れないために

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東日本震災の体験談を「わしんすなよ!」でご紹介しています。きずな工房の利用者さんや支援員など七ヶ浜にお住いの皆さんからお話を伺っています。

私が在職中に工房の皆さんからお聞きしています。世間話の中に津波のことはよく出てきましたが、詳しく話される方は少なかったと思います。

 震災から3年経った頃でしょうか。少しずつ時間を掛けてお伺いし、記録に残し始めました。実名でと思っていましたが、「名前は伏せたい」という要望が多いのでイニシャルにしています。この冊子を限られた方々にお配りしていた理由もその一つです。

津波にのまれた方やご家族を亡くされた方もいらっしゃいます。取材にあたって辛かったことを思い出させてしまうのではと悩みましたが、利用者さんのお一人から「語り継いでいかなければと思った」というお言葉に続けていく決心がつきました。

「やっぱり載せないでほしい」という方もいらっしゃいました。お話を聞かせていただいただけでも良かったんじゃないかなと・・・。私の心の中にしっかり保管しておきたいと思っています。

 5号目に私自身の体験談も掲載しました。ノートに記録しておいたものですが、読み返してみると「こんなことがあったっけ?」とびっくりすることが多くて・・・。やはり書いておいて正解だったなとしみじみ思います。本当に人って忘れてしまうものなのですね。