前回ご紹介した水戸ともみさん、渡部美穂子さんには、きずな工房にもご支援いただきました。きっかけは、この写真の貝びな。2011年12月、「こういものを作れますが・・・」と、ともみさんが工房を訪れたことが交流のはじまりでした。
3号「手と手」に掲載しています。
きずな工房がオープンして間もなくで、スタッフは何から始めていいのか途方に暮れていた頃でした。「作り方をお教えできますよ」の言葉は、まさに天からの助け!
「貝びな作りをやってみたらどうだ?」。きっかけは寿也さんのひと言でした。(中略)美穂子さんと二人で、手作りをしていた貝びな。地元の老人ホームに、震災後は南三陸町に寄贈する活動をしていました。「作り始めて10年以上経つけれど、人に教えるなんてと尻込みしていたんです。「行くべ!」って、引っ張ってもらったのが最初です」。
(聞き書き七ヶ浜3号「手と手」より)
翌年1月にともみさんと美穂子さんを講師にお迎えし、工房初の公開講座『貝びな作り』を開催しました。和やかに雰囲気の中、20名の参加者は手作りを楽しみました。
あちらこちらから聞こえてきたのは「きれいだね」「かわいいね」の声! 震災後は色のない生活を送っていたので、鮮やかな和の布に胸が躍りました。
(聞き書き七ヶ浜3号「手と手」より)
「販売できるようになるといいわね」のお二人の言葉に後押しされ、何回か作り方を重ねた後、ボランティアセンターで販売を開始。多くの皆さんにお買い求めいただきました。
(聞き書き七ヶ浜3号「手と手」より)
貝びなは、季節ものになりましたが工房の人気商品の一つになりました。
その後も、ともみさんを講師に『かわいい針山作り』を開催。ペットボトルキャップやビンの蓋を使ったミニ針山の作り方を教えていただきました。
渡部さん水戸さん両ご夫妻には、長期にわたり、工房にもたくさんのご支援をいただきました。手作りの指導の他、ご本人たちばかりでなく、地元山形の皆さんから託されたサクランボやスイカ、衣服などを届けてくださいました。そのたびに「忘れないでいてくれるんだな」とつぶやく利用者さんのことを思い出します。
(聞き書き七ヶ浜3号「手と手」より)
書道ボランティア同様に、工房にも足を運んでいただいたことに深く感謝いたします。両ご夫妻には、続けることの意味、大切さを教わりました。今まで支えていただきありがとうございました。
(聞き書き七ヶ浜3号「手と手」より)