聞き書き七ヶ浜

聞いてけさいん、話してけさいん。七ヶ浜のいまむかし。

笹山稲荷大明神

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今日は、2号目の「お社めぐり」笹山稲荷大明神のご紹介です。

七ヶ浜には20社ほどの神社がありますが、地区の鎮守のほかは小さなお社が多いです。路地の奥にあるようなお社は、所在に気付くこともなかなか難しい。今回ご紹介のお社もその一つです。

松ヶ浜小学校入り口の近くに「郷倉前」というバス停があり、その名のとおり最近まで石造りの郷倉(昔の防災備蓄倉庫)が建っていたが、残念ながら震災の痛みが酷く解体されてしまった。

(中略)笹山稲荷大明神への入口は、郷倉跡地の隣りにポツンと建っている真新しい分団倉庫横の細い路地。50メートルほど入ると舗装が途切れて土道に変わり、さらに150メートルほど進む。道はゆるく右手にカーブしながら小さく上り下りを繰り返し、途中阿川沼を見下ろす眺望が開けたり、杉木立と笹垣のトンネルがしばらく続くが、急に視界が開けると丘の頂上のこんもりとした広場に出る。

聞き書き七ヶ浜2号「お社めぐり」より)

 

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広場の真ん中には、うねるように枝を広げた10数本のシロダモの群生があり、その東の端に小ぶりな赤い鳥居が見えてくる。「となりのトトロ」の鎮守の森をミニチュアにしたような佇まいだ。

鳥居の高さは180センチしかなく、貫のところは150センチぐらい。大人は屈まないとくぐれないが、正面に割と新しい木造の上屋に納められたお社が鎮座している。

(中略)ここは竹駒神社の姉妹社と伝えられる霊験あらたか稲荷で、地域に何か異変のあるときには、自ら姿を見せたり、鳴き声で知らせると云われている。

あらためてお社の鎮座する木立の周りを歩いてみると、広場は外周から区切られるように草を刈られ、きれいに手入れされた清々しい空間になっていて、この場所が大切にされていることが偲ばれる。

聞き書き七ヶ浜2号「お社めぐり」より)

 

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この写真は、解体前の郷倉。風情のある佇まいでした。仕方のないことですが、取り壊されたのが残念でならないです。

 

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こちらも震災前の写真。参道からの眺めです。眼下には長養寺の墓地、そして、菖蒲田浜の町並みが広がります。

皆さんも機会があったら、一度お参りしてみてください。