今日は10号目の「おらほ自慢」から『鼻節神社』をご紹介します。
仙台湾に面した花渕浜の垂水山(たるみつやま)に鎮座。その歴史は古く、延喜式神名帳に名神大社と記載される由緒ある神社なんですよ。祭神は猿田彦命。岩礁が続く沖合の安全な航行を守ります。
写真は、海側にある表参道の鳥居。本来は海からの参拝なんだとか。陸側の赤い鳥居からは裏参道です。この三角扁額も珍しいもので・・・鼻節神社については、追って本誌でご紹介を予定しています。
今回も町の人たちに聞いたお話を綴っていきましょう。(写真は2019年1月9日撮影)
・「鼻節神社は、塩釜神社のおねえさんなんだよ」って教えられた。だから(塩釜の港まつりの)船があいさつに行くんだよ。(※男性陣は「おにいさんだよ」と言います)
・二十歳のとき、社務所で同窓会をやったの。昔はそんなに場所がなかったからねぇ~。(70代)
・おづめこさま(御神馬像)が祀られている。お祭りのとき、軽トラに乗せて地区内を練り歩く。
・馬は爪があるから「おづめこ」って言われてるんじゃないかなぁ~。
・花渕浜は馬だね。牛は飼わない。昔、何かあったんだねぇ~。
・花渕浜は牛を飼えない。祟りがあるらしい。
(聞き書き七ヶ浜10号「おらほ自慢」より)
・昔の大きな地震で海に沈んでしまった大根明神がある。
※大根明神は、鼻節神社から南東の海上約7キロ付近に広がる岩礁(根)に鎮座。貞観の大地震(869年)時に海中に陥没し、現在は鼻節神社境内に遥拝所が建てられている。
・大きなあわびが船を助けた「あわび伝説」がある。町民ミュージカルにもなったよね。
・あわび祭り(大根明神祭/旧暦6月1日)で肝和えを食べた。
・あわび祭りの肝和えは、前の日から作るんだよ。男の人(潜水士)が獲ってきて作る。女はダメなんだ。共食いになっからなぁ~!(笑)
(聞き書き七ヶ浜10号「おらほ自慢」より)
大根明神について、詳しくは過去記事をご覧ください。
・大きな蛇が、鼻節神社と大根神社を行き来しているという伝説が残っている。
・白蛇の話がある。花渕浜では「見ると金持ちになる」、菖蒲田浜では「見ると死ぬ」と言われている。
・お参りに行ったとき、家族4人で見た人がいるんだよ。俺も見たことがある。
・白無垢姿の女の人を見たとか、不思議な体験をする人が多いところなんだよ。
(聞き書き七ヶ浜10号「おらほ自慢」より)
エピソードの多い鼻節神社ですが、やはりよく聞くのが不思議な体験のこと。この他にも、「毎回じゃないけど、どーんと何かが降りてくる感覚がする」「相性が悪いのか、行くと変な気分になる」という話もよく聞きます。私は全然感じませんが!(^O^)
東日本大震災で被災した石灯籠は、ボランティアさんたちの手で蘇りました。このことも忘れてはならない出来事ですね。
古くは枕草子に登場し、アニメ・漫画「かんなぎ」の聖地にもなった鼻節神社。木々に囲まれ、ひっそりとした佇まい。私にとって清々しい気持ちになれる場所です。
皆さんも機会があったら、ぜひ訪れてみてくださいね (^O^)/