2020年3月、菖蒲田浜の眺望崎に建てられた東日本大震災メモリアルモニュメント。岬の上は小さな公園になっています。
5月末、密を避けた朝の早い時間に見に行ってきました。すでに釣り客や浜辺で遊ぶ人たちで賑わい、皆、海に癒しを求めに来るのだなとぼんやり眺めていました。
モニュメントのタイトルは「虹のむこう」。
「太平洋が一望できる眺望崎に佇む母親と娘。娘の指差す先には、海と岬にかかる虹が見えます。二人に駆け寄る弟。その後ろ姿を見守る父親(注:父親の彫刻は無い)」。これが穏やかな日常の風景を切り取ったという作品のストーリー。
作者は、彫刻家 嶋畑貢氏(滋賀県在住)。
平穏な日々を奪ったあの震災の記憶を伝え続けるよう願います。
親子の視線の先には、七ヶ浜の青い海と空が広がります。菖蒲田海水浴場に小豆浜、表浜。空気が澄んでいるときは、牡鹿半島まで見えるんですよ。
公園入口に「大東館と菖蒲田海水浴場」案内板が設置されています。
明治21年(1888年)に東北で初めて開設された菖蒲田海水浴場。当時の海水浴は「うみみつあみ」といわれ、病気治療のために行われていました。
そして、モニュメントのある眺望崎は、大東館という保養施設が建てられ、多くの人々で賑わった記録が残っています。宮沢賢治や夏目漱石、土井晩翠など文化人や政財界人が訪れたそうです。
菖蒲田漁港にも隣接しています。すぐ下には八大龍王(はってらさま)の石碑が七ヶ浜の海を見守っています。
今年は新型コロナウィルス感染予防のため、菖蒲田海水浴場は中止になりました。楽しみにしてくださっている方々のことを思うと、本当に残念でなりません。
菖蒲田に限らず、七ヶ浜町内の砂浜は遊泳禁止になりますのでご注意ください。すべては安全第一のため。よろしくお願いいたします。