突然ですが、問題です (^O^)♪
酸っぱくなった白菜漬けと七ヶ浜産のカキで作る料理はなんでしょうか?
さて、その答えは・・・?
正解は『 カキなっぱ 』です!
「えーっ!なにそれーっ?」って声が聞こえてきそうですね。実は私もそうでした。七ヶ浜に来て初めて知った料理です。しかも、まだ食べたことがないんですよ。
一番最初に伺ったのは、菖蒲田浜のおかあさんたちから「酸っぱくなった白菜漬けをシーチキンで炒めて食べた」という話でした。これは、7号目の「浜のんめぇもの・お惣菜 他」でご紹介しています。
その後の聞き取りで「カキと白菜漬け」の組み合わせを聞きました。
【白菜漬けの煮付け】
・酸っぱくなった白菜漬けをシーチキンと一緒に煮る。
・においが強烈! やんだくてやんだくて(嫌で嫌で)。
・好きで今も食べたいけど、子どもたちにごしゃかれっから(怒られるから)やんね(やらない)。
(以上、60~70代女性/菖蒲田浜)
・菖蒲田はアブラガレイで煮つける。(60代男性/菖蒲田浜)
・アブラガレイと白菜漬けを煮て食べた。(80代女性/菖蒲田浜)
・おらいのお袋はしなかったけど、かみさんはやる。子どもたちが食うんだな。俺はノーサンキューだったなぁ。白菜漬けを煮て食う文化はねかったから。(60代男性/吉田浜)
【カキなっぱ】
・岩ガキと酸っぱくなった白菜漬けで食べた。菖蒲田ではカキはしない。(60代男性/菖蒲田浜)
・2~3月になると(白菜漬け)が酸っぱくなるので、カキと一緒に煮込んで食べた。酸っぱさがいくらか抜ける。味付けはしない。漬物に塩分がついてっから。なかなか旨いんだよ。いくらか酸っぺぇけど。(80代男性/東宮浜)
・裏(浜)から嫁ごに来た人(が作る)かな?(60代男性/吉田浜)
(聞き書き七ヶ浜7号「んめぇもの」より)
「カキなっぱ」の話から、七ヶ浜町でもカキが獲れていたことを知りました。
・松島湾沿いの東宮浜、要害、代ヶ崎浜で養殖をしていた。(60代男性/菖蒲田浜)
・七ヶ浜にカキむき場があった。最後になくなったのが代ヶ崎。海苔とカキの収穫時期がダブって、天秤さかけて金取りのいい方が海苔だったわけだ。松島の人たちも一時期、海苔をやってたんだよ。七ヶ浜が海苔をやって、松島がカキをやるようになった。要害浦を埋め立てすっときに、手樽の沖に漁場を代替えの話があったけど、あそこまで遠いってことでね。(80代男性/東宮浜)
・震災前、代ヶ崎漁協(支所だった)のすぐ脇のガソリンスタンドの奥に長屋風のカキむき小屋があった。海苔の方が儲かるからやらなくなった。(50代男性/吉田浜)
・カキむき小屋は、馬放(島)の向かいにもあった。(60代男性/吉田浜)
(聞き書き七ヶ浜7号「んめぇもの」より)
裏浜(代ヶ崎浜、東宮浜)は松島湾に面しているので、カキの養殖に適していたんですね。カキも続けていてほしかったなぁ~!
昭和30~40年代の海苔の価格が1枚20円だったとか(現在は13~14円)。当時、手間暇が掛かる海苔は高価だったんですね。海苔に流れていく気持ちがよくわかります。最盛期で町内800軒でやっていたという話も聞きました。
酸っぱくなった白菜漬けの利用法から、七ヶ浜町のカキと海苔養殖の歴史にまで広がりました。「食」の話って面白いですね!
そうそう、白菜と七ヶ浜町のつながりもあるんですよ。それはまた今度ご紹介しますね (^O^)/