聞き書き七ヶ浜

聞いてけさいん、話してけさいん。七ヶ浜のいまむかし。

おくずかけ

昨日の宮城県沖地震は大丈夫でしたか。皆さん、被害はありませんでしたか。

先月の地震に引き続き「またか!」という感じで、がっかりというかなんというか…。
建物のダメージに追い打ちが掛かったかなと。どっと疲れました。そういうご家庭が多いことと思います。もうたくさんですよね。

さて、小誌ですが、12号目がまだ完成出来ていない状態です。3.11に間に合わなかった…。いろいろお問合せいただき、申し訳ございません。あともう少しお待ちください。

せめてブログで七ヶ浜のことをと思い、記事のアップです。

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お彼岸なので、今日は「おくずかけ」についてご紹介いたします。

 

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お盆やお彼岸に出てくる「おくずかけ」。写真は実家の母の手作り。

宮城県の郷土料理だったんですね。当たり前に食べていたので驚きでした。私は母方の祖母が作ってくれたものが好きでした。とろみが絶妙というか、味付けも。もちろん母が作るものも美味しいんですけどね。子どもの頃はうーめんが入っているので喜んで食べていました。

県南はこの「おくずかけ」、県北は「はっと」。藩政時代、米はとれるけど食べることができない庶民が工夫した料理なんだそうです。

 

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七ヶ浜の皆さんからお聞きした情報をまとめました。

ご先祖様へのおもてなし料理であり、訪問される方へのもてなしでもあります。法事の料理でも出てきます。

意外にも「おくずかけ」という名前を知らなかった方が多かったのが印象的でした。卓袱(しっぽく)料理が訛った「すっぽこ」や、「ぺろ」と呼んでいる人もいました。ぺろは麺類のことだそうです。

地区を問わず、食べていないご家庭が結構ありました。「おばあさんが亡くなってからしばらく食べてないなぁ~」という人も。恐らく、お仏さんがあるおうちで作るんですね。わが家もそうです。実家に行って食べていますから。

味の決め手は、乾燥シイタケの戻し汁だと思っています。あの出汁が効いているのではないかと。

心と体がじんわりと温まる「おくずかけ」。大切にしたい郷土の味ですね。