聞き書き七ヶ浜

聞いてけさいん、話してけさいん。七ヶ浜のいまむかし。

浜の味付けは濃い

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台風14号の予想進路がずれ、低気圧が通り抜けて秋晴れの七ヶ浜です。

13号目の作成はなかなか進まない状態です。毎度のことではありますが、のんびり楽しみながら作って行こうと思っています。その分、ブログやツイッターで七ヶ浜のことをご紹介していきますね。

 

今回は『食』についてのお話をひとつ・・・

最近、職場の世間話で盛り上がったのが「卵焼きは何味にしてる?」でした。

地元七ヶ浜出身の皆さんは「砂糖をどっさり入れた甘い卵焼き」とのこと。また、同じく沿岸の石巻出身の方も「えっ!って思うくらい砂糖を入れていた」と話していました。ちなみに、わが家は甘くしないタイプ。「塩」または「だし+みりんを少々」で味付けして焼いています。

皆さんのご家庭では、どんな卵焼きですか?  

 

七ヶ浜で暮らすようになって、地元の皆さんにお話を聞いていると「浜の味付けは濃い」とよく聞きました。卵焼きに限らず、料理の味付け全般のようです。そんな声を集めてみました。

 

浜の味付けは濃い

・魚の煮付けは酒、みりん、しょうゆの甘味。タレは煮詰めて、足して掛ける。

・煮付けも甘い。ネウ(アイナメ)、カレイなど、砂糖が濃くて同じ味になってしまう。カレイは甘くしたらダメ。

ずんだ餅などに砂糖や塩、深みを出すため。ギリギリの線。甘いけどそれなり。砂糖が無い時代(戦時中)の反動なのか。

・しょっぱいの食ってから、甘いのが欲しくなる。

・浜は味付けが濃い。ごま、くるみ、ずんだ餅にぎっつら砂糖。塩もぎっつり。

・たくわん、梅干し、塩引き。しょっぺえのばり食べてた。

・ワカメの茎は煮付ける。砂糖としょうゆとシイタケの戻し汁で煮る。味は濃いめ。

・(浜の仕事は)力仕事だから濃い味なんだよね。

 

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七ヶ浜は海の町、漁業の町。力仕事に負けないように濃いめの味付けなんでしょうね。それと、昔は保存など長持ちさせるためだったのではと思います。

 

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なるべく薄味の食事をといわれたのは、いつの頃からだったでしょうか。健康志向で塩分も甘さもほどほどになりましたね。

サケの塩引きも同様に甘めの塩加減のものが多くみられます。そんな中、焼いたら塩が吹き出てるような塩引きが食べたくなる方もいるようです。昔懐かしの味ですね!

小さい頃に食べたものの味って忘れられないもので、また食べたくなるんですね。お弁当の卵焼きにもっと砂糖を入れて欲しくても、なかなか奥さまに言えないんだという話を聞きました。「やっぱり、母親の作ってくれた甘い卵焼きなんだよね。あの味を食べたいんだよね」って。

これが「おふくろの味」なんでしょうね(*^-^*)