今日は10号目「浜のんめぇもの」から『カニ』をご紹介します。
浜では「ガヌ」っていってますね。震災後に豊漁だったワタリガニなど、カニにまつわる話を聞きました。その一部をご覧ください(^O^)/
【ワタリガニ(ガザミ)】
・タラバやズワイと違ってさ、身を食うってよりは出汁を味わんだよ。汁が旨いんだ。(80代男性)
・(身を)ほぐして、麺つゆを垂らして食べる。素材そのままが美味しい!カニ玉やスープもいいね。(80代男性)
・ガニはキムチ鍋も美味しいよ。(70代女性)
・一番美味しいところは、四分割した足のところだね。(40代男性)
・ガニのえらの部分を「しゃぶき」って言うの。小さい頃、父親から「そこまで食べんな!」って言われた。卑しいからやめろって。(60代女性)
・ガニに挟まれたら、引っ張っちゃダメ。挟まれたまんまにしてって…そのまんまもダメだよぉ!(70代女性)
・今の方が大きい。漁で(カニのハサミで)網を切られるから、女たちがカニの網を作ったり直したりしていた。昔、獲れてたときもあったんだよ。(80代女性)
・ワタリガニ、ワタリガニって騒いでんのは最近のことだよ。昔はそんなに獲れなかったんだから。(70代女性)
(聞き書き七ヶ浜10号「んめぇもの」より)
【チャッポガニ】
・シャッポ(チャッポ)ガニは、Hガニ。表浜辺りで獲れたな。(80代男性)※シャッポは、英語のキャップの訛り。
(聞き書き七ヶ浜10号「んめぇもの」より)
その後、チャッポガニについて聞き取りした情報は下記のとおりです。
・シャッポはフランス語で「帽子」。※帽子の形に似ているところからきたのでしょうか。
・みそがほろ苦い。(80代女性)
・表浜でよく獲れた。(70代女性)
・表浜のは大して旨くない。(80代男性)
※チャッポガニは「ヒラツメガニ」のこと。ワタリガニの仲間です。七の市などで、ワタリガニとして販売しているのを見かけます。
(聞き書き七ヶ浜 聞き取りメモより)
※過去記事でご紹介していました。
【イソガニ(イシガニ)】
・今みたくガザミが獲れなかったから、カニを食べたくなるとイシガニを獲って食べてた。しゃぶりつくと(甲羅が)ガラスみたくガシャガシャした。(40代男性)
・イシガニは、岸壁にわさわさと泳いでやって来るんだ。網を入れて獲ってた。カキ殻が邪魔で避けながらね。小さい頃の夏の風物詩だったなぁ。(40代男性)
(聞き書き七ヶ浜10号「んめぇもの」より)
その後、イソガニの聞き取り情報です。
・浜の人はイシガニのことを「イソガニ」と言っていた。甲羅は固く身だけ使った。紫のやつも身だけ。身がいっぱい入ってた。(80代男性)
・青ガニの固いの。(70代女性)
・魚のあらを付けて釣っていた。(40~80代男性)
(聞き書き七ヶ浜 聞き取りメモより)
【ちゃっこいカニ】
・砂浜にいる小さなカニも炒めて食べた。旨かったんだけど(お腹を)下したんだよ。毒があるみたい。(40代男性)
・ちゃっこいカニを食べると酔うんだよ。ツブ(貝)の「きしゃじ」(きさじ。内臓の唾液腺)も同じでラリったね。毒があるんだね。(40代男性)
(聞き書き七ヶ浜10号「んめぇもの」より)
浜の人たちは言います。「死んだカニは美味しくない。活きてる方が身がホクホクして旨い!」。やっぱり獲れたてが一番なんだそうです。それって、とっても贅沢なことですよね。海のそばで暮らす人たちだから言えることなんだと思います。
カニについては、釣りや食べ方などをまた追ってご紹介いたしますね。