聞き書き七ヶ浜

聞いてけさいん、話してけさいん。七ヶ浜のいまむかし。

お正月 ~その1~

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いやいや寒いですねぇ! 七ヶ浜も雪がうっすら積もりました。

例年より気温が低かったそうで、日陰では解け切らないまま凍てついています。お互い足元に気を付けて歩きましょうね。滑りますから!

写真は、震災前の多聞山展望広場。この日の東屋には、双眼鏡片手に松島湾内の猛禽類を調べているお姉さんがいたのを覚えています。寒空の下、お仕事で頑張ってました!

 

さて、2017年も残すところあとわずか・・・

少しだけタイムスリップをして、昭和初め頃の年末年始の様子を覗いてみませんか?

3号目の「いまむかし」から『お正月』についてをご紹介します。エピソードが多いので、数回に分けますね。

それでは、七ヶ浜で暮らす皆さんからお伺いした話をどうぞ (^O^)/

 

 【買い物】

・正月の準備は、塩釜で買い物をしていた。海岸通りでは、お正月ものを売っているお店が並んでいた。そのあとに「よこたや」や「だてや」さ寄った。

・新しい下駄や肌着を買ってもらった。メリヤスやグンゼ、ボタンの着いたやつ。つんぬき(綿入れ)も縫ってもらった。お正月になったら着せらった。

 

【メダマ木】

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・実がなるように作らった縁起物。(※まゆ玉、団子の木、団子さしと同じ)

・付けるのは白餅。丸めて片栗粉の上に乗っけてから枝に付けた。子どもの仕事だった。ペラペラ(紙で作った縁起物)も付けた。

・薪の中から、しなやかな木の枝を選んで使った。

・薄く切った切り株に穴をあけて、メダマ木を刺した。

・なげしにも刺した。煤払いをすっときに、へそくりも出てきた。

 

鏡餅

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・餅を飾る場所は5ヶ所。床の間、神棚、氏神、お仏さん。船ある人は船に。

・床の間に大きい鏡餅を飾った。

・昔は餅を3つ重ねた。今はみかんを乗っけている。玉紙に2ヶ所、餅を2つずつ置いた。

 

【輪通し】

・納屋、物干し竿、自動車、自転車、車の中にも。

・土間に臼をひっくり返して、ひしゃくを乗っけて輪通しを飾った。

・輪通しは吉田浜の人で年中飾っている人もいた。何年も飾っている人も。

・輪通しやお札、玄関飾り、餅をあげた紙は一月まで飾る。トイレのは、海で燃やした。

 

【切子】

・神社が氏子のために半紙で作る紙飾りのこと。

・柏木神社(多賀城市大代)から配らった。どんと祭、二十三夜様まで飾った。魚2匹に網のようなもののときもあった。

・一年中飾っている家もある。

 

聞き書き七ヶ浜3号「いまむかし」より)

 

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これは、今野家住宅の神棚に飾られている「切子」。投網や魚が象られていますね。

今野家住宅は、東北歴史博物館の敷地内にある古民家。石巻市北上町橋浦から移築された、江戸中期に建てられた肝入(村長)の屋敷です。こちらは無料で見学できますよ。

この切子は、塩釜市より北から南三陸の南部辺りで飾る風習のようです。海の町らしい切子が飾られているんですね。

 

明日は「お正月 ~その2~」で、食についてご紹介します (*^-^*)