今日は久しぶりに石碑のご紹介をいたします。
写真は、八大龍王の碑。菖蒲田漁港に隣接した眺望崎に建立されています。水神様、雨乞いの神様です。浜の人たちは「はってらさま」と呼んでいます。
東日本大震災の津波で流されてしまい、碑そのものは無事でしたが再建できないままでいました。最近になって、ようやく元の位置に戻ることが出来たんです…
再建するにあたって、菖蒲田地区の方から「はってらさまの写真を持っていないか?」と相談を受け、提供したのがこの写真です。
元あったように建てたくて、石碑がどのような向きで立っていたのか手掛かりが欲しいと私の元に来られました。位置がわかる写真が残っていなかったそうなので、お役に立てて嬉しいです。
八大龍王の碑(中央)、建立にあたっての寄付碑(左)、鯨霊碑(右)。
その昔、漁師たちは眺望崎の前を通るとき、船を漕ぐ手を止めて八大龍王に一礼し、「トーヤ はってらさま、大漁にしてけさいん」と叫んで大漁を祈願していたそうです。
あるべき場所に落ち着いて、地区の皆さんはさぞかしホッとされたことでしょう。
八大龍王の碑は 湊浜(熊野神社)、松ヶ浜(黒崎)、吉田浜(吉田神社)にも建っているとのこと。これらも調査に伺おうと思います。
そして、もう一つ。左に見えるのは、菖蒲田漁港完成碑。
町史によると、菖蒲田漁港は昭和49年に完成。翌年、大東館近くの岬上にこの碑が建立されました。岬上とは、恐らく眺望崎のことでしょう。当時の町長の胸像と一緒に建てられたそうです。
岬のとなりには立石の岩場が見え、菖蒲田海水浴場、小豆浜、表浜の砂浜が見渡せます。
夏になると、町内外から大勢の人々が海水浴に訪れる砂浜です。今では一年をとおして、サーフィンやウォーキングを楽しむ方で賑わいます。
岬の上には広場ができ、近々、震災モニュメントが設置されることになっています。
はってらさまは、毎日、この岬から菖蒲田の海を見守っています。
間もなく震災から9年目を迎えます。
すべての人々が、穏やかな日々を暮らせますように…。