聞き書き七ヶ浜

聞いてけさいん、話してけさいん。七ヶ浜のいまむかし。

真葛さんと「磯つたひ」

今日は出来たばかりの16号「BOOK  Shichigahama」について。

「七ヶ浜を題材にした文学作品と歩いてみよう!」と題して、只野真葛さんの書いた紀行文『磯つたひ』についてご紹介しました。

真葛さんは、江戸時代に七ヶ浜を訪れ、聞き書きをした女流作家です。

仙台藩医 工藤平助の娘で、中新田領主 只野伊賀に嫁ぎ、江戸から仙台へ下りました。東北地方の昔ばなしや、松島 塩竈を巡った作品を残しています。

私が以前、観光の仕事に携わり、七ヶ浜の魅力を探っていた時に古い町誌から彼女の存在を知りました。彼女の紀行文は、海岸線の描写だけにとどまらず、浜の人たちの暮らしぶりや珍しい話を丁寧に拾い集めているのが興味深いです。また、その足取りは、町の観光ガイドブックの基礎にもなっているようです。

 

駆け足ではありますが、真葛さんが歩いた道のりを辿り、浜ごとに見聞きしたことの他に補足情報も記載しました。手に取ってご覧いただけると嬉しいです。

小紙を閲覧できる施設等については、過去記事でご紹介しています。ご参考ください。

kikigaki7.hatenablog.com

 

16号掲載にあたって、先月末、真葛さんのお墓参りに行ってきました。

 

伊達藩主の菩提寺の一つである 松音寺仙台市若林区新寺)。只野家の菩提寺でもあり、そこに真葛さんのお墓があります。

 

お寺に向かって左側の門を抜けて通り一本渡ると、お墓があります。

 

手前中央にあるのが真葛さんのお墓。文政8年(1825)6月26日に仙台で亡くなられました。

その隣にある大きな碑は、頌徳碑(しょうとくひ)。真葛さんの文学者としての業績を讃える碑だそうです。

 

小紙に「磯つたひ」のご紹介をさせていただいたご報告をしました。

この春は時間に余裕ができたこともあり、真葛さんにまつわる本を何冊か読むことができました。これから、少しずつ他の作品を読み進めると共に、彼女の歩んできた人生に触れてみたい。そう思っています。